冬越しのクワガタ 営業課 楠本
春の陽射しが暖かい。風も爽やかに吹き抜ける。
遠くに霞む秀峰伊吹の雪も今年はアッという間に消えた。
桜の季節は終わりを告げたが春本番はまだまだこれからだ。
こういうところは未だに子どものままなのだろう。
我が家にはおが屑が入った虫籠が三つある。
中にはクワガタがいるはずだ、クワガタの幼虫もいるかもしれない。
カブトムシや茶色いクワガタと違って黒いクワガタが冬越しすることを知ったのは、僕が虫博士と呼ばれていた小学生低学年の頃だったと思う。
クワガタを室内で菌糸瓶などで大切に育てる人も多いようだが、僕はより自然に近い形で外にほったらかしてある。
蓋を開けて恐る恐るおが屑をひっくり返してみる。
数匹は帰らぬクワガタになっていたが、オスとメスが一匹ずつ元気に動いていた。
おが屑に水分を含ませを、昆虫ゼリーを入れて産卵できる環境を整えた。
あと二つは幼稚がいるかもしれない虫籠だ。
ひとつ目はさっぱりいなかったのだが朽木が二本入っている。
本来クワガタは木の中に産卵をするものなのでそっとしておいた。
もうひとつの虫籠からは一匹だけ幼虫が出てきた。
クワガタの幼虫は飼育が難しい。
カブトムシの幼虫ならいくら手で触っても大丈夫だがクワガタの幼虫は帰らぬクワガタの幼虫になってしまう場合がある。
次に虫籠を開けるのはかなり先のことになると思う。
春が過ぎて梅雨が過ぎると成虫の季節になる、本当ならクワガタ採取に出かけたいところだが、僕は本巣市にある「織部の里」という道の駅に買いに行っている。
今年もどんなクワガタに出会うかが楽しみだ、そして幼虫が成虫になるのも楽しみにしている。